第5章 近づく心
リヴァイがシャワー室へ行く時、アイリーンは大きなパンを口に運んでいた。
が、実際少しもぐもぐした後、アイリーンはうつらうつらと今にも夢の中へと入ってしまいそうになっていた。
目の前がぼんやりと霞んでいくなか、どうしてこんなに疲れているのだろうと考えてみる。
……あぁそうか。
そういえば昨日は、もうすぐ壁外調査だと思うと中々寝付けなくて。
朝いつもよりも1時間近く前から仕事をしていたんだっけ。
昼過ぎには、朝から仕事をしまくっていた為にすることが無くなり。
ハンジさんに休んでていいよ。と言われたんだった。
それでも休めなくて、それからずっと筋トレと走り込みをしていた。
………そう、リヴァイさんにここに連れてこられるまで。
朝からの仕事と、夜までのトレーニング。
この部屋までくるまでの疲労等で、自分の体は思っていた以上に疲弊していたらしい。
せめて、リヴァイさんが戻ってくるまでは起きていないと……。
そう頭では思っているのに、目の前はどんどんぼんやりしていく。
(ダメだ。リヴァイさんの、上司の部屋でうたた寝なんて……)
そう思うのを最後に、アイリーンの瞼は完全に落ちてしまった。