• テキストサイズ

進撃の巨人 リヴァイ落ち予定

第5章 近づく心




アイリーンとの距離を詰めるのはやめよう。
そう決めてから、まだ3日程しか時間は経っていない。

なのに、今自分はアイリーンに近づいてその華奢な体を抱きしめたいと思ってしまっている。

リヴァイは内心で自分の不甲斐なさに悪態をつきつつ、目の前の女性へと気持ちを戻した。


「…わかったから、もう部屋に戻って大人しく寝ろ。明日に響くぞ。」

「……はい、わかりました。」


全く同意していない表情で頷くアイリーンに、リヴァイは溜息を吐く。


「…不服そうだな。何か不満でもあるのか?」

「……いえ。そうではないのですが、その、」


アイリーンは両手をお腹の前で組んで、少し言いよどむ。
言い難い事なら、少し待とう。
そう決めて、リヴァイは胸の前で腕を組み、次の言葉を待った。





そろそろ夕日も黒に変わろうとする頃、ようやくアイリーンは口を開いた。

まだ少し言葉に躊躇いを残しながらも、リヴァイにしっかりと顔を向けて言葉を紡いだ。


「その、ですね。明日の事を考えるとどうも落ち着かなくて。部屋に一人でいるのも、その…心細くて。じっとしていられなかったんです。」


照れながら、体の前で作っている両手を握りしめながら、言葉を詰まらせながらもアイリーンは最後まで言い切る。

言い切った後は、恥ずかしいのか顔を両手で覆って隠してしまった。


その仕草と、言葉はリヴァイの心をさらにグラグラと揺らしていく。

どうしてだろう。
どうしてこのアイリーンという女は、こうも自分の心に深く食い込んでくるのだろう。

考えれば考えるだけ、リヴァイは深みに嵌っていく自分に気づいていたが
考えないという選択肢は当の昔に消えているかのように、彼女の事を考えてしまっていた。

/ 79ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp