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進撃の巨人 リヴァイ落ち予定

第5章 近づく心




「わかった、付いてこい。」
「え、あのリヴァイさん…?」

突然アイリーンの腕を掴んだリヴァイは、そのままアイリーンの言葉を無視して歩き始めた。

突然の事で理解が遅れたアイリーンは、リヴァイに引かれるまま付いて行くしかなかった。







「あ、あのリヴァイさん…?どこへ行っているのでしょうか」


あれからしばらく経った。
リヴァイには何度か同じ質問を投げかけてはいるが、返事は返ってこない。
ハンジ班にいるとはいえ、リヴァイは上司。
むやみに引かれている手を振りほどくことも出来ず、アイリーンはただただついて歩いている。

だが、その状態も長くは続かなかった。
目の前に見えた、恐らく目的地であろう場所を目にしたからだ。


「あ、あのリヴァイさん!ここには……」


そこは幹部の方達が住んでいる、本館だった。

自室や食堂も通り過ぎ、一体どこへ向かっているのかと思えば、本館だなんて…


この本館にはリヴァイを始め、ハンジやエルヴィン団長も生活をしている。
もちろんハンジの研究室もあるので、よく立ち入っている場所ではあるのだが…


もし本当に本館へと立ち入るならば、どこへ行くのか。
ハンジは明日の壁外調査のために研究所に籠っているはず。

そんな状態のハンジの研究室へと行くとは思えない。


エルヴィン団長へと会う理由もないだろうし、他の幹部の方とは面識がない。

これは、もう… 消去法でいくと残る部屋は一つしかないのでは。


「リヴァイさん…!もしかしてこれは…」
「何も取って食おうとしてるわけじゃない。心配しなくていい。」


ようやく返された言葉は、アイリーンを宥める言葉。

リヴァイさんの部屋なのか…。
そう考えると心臓が歩いているからだけでは説明出来ない程、脈を打ち始める。

何と言っても、リヴァイの部屋に入るのは、あの日。
新兵に襲われて、リヴァイに助けてもらって以来なのだ。


嫌でもあの日を思い出してしまう。


いい思い出と、嫌な思い出が交互に頭の中を掠めていき、思わず口許に手を当てて
何かを堪える仕草をするアイリーンに、リヴァイは無言のまま、安心させるかのようにぎゅっと繋いでいる右手に力を込めた。



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