第1章 出会いはいつだって突然に
ひゅん。
柱を抜けると駅のホームーーーーーーーー9と3/4番線がある。
やっとここに来れた。何年待っただろう。
初めて“ホグワーツ”という存在を知ったのはいつだったか。教えてもらってからずっと、憧れを持っていた。
それにしても荷物が重い…まあ寮生活だから仕方のないことか。
列車に乗り込む。
荷物を預け、空いているコンパートメントを探す。
あ、やっと空いていた。
ガラッ。
窓からさんさんと光が差し込み、キラキラして見えるーーー期待も含まれるから余計輝くのか。
窓際に腰掛け、外を眺める。
ふと、見送りに来れなかった父と母ーーーーホグワーツのことを教えてくれた張本人ーーーーを思い出した。仕事がどうしても休めないのだと、泣きそうな顔だったなあ。
心地よい陽射しの中眠りにつこうとしたその瞬間、扉がいきなり開いた。