• テキストサイズ

満月の夢

第1章 出会いはいつだって突然に


どきん、どきん、どきん、どきん。
さっきーーーーーーー彼を見たあの瞬間から、心臓の音が鳴り止まない。

_____________________________________


イギリスはロンドン、キングズクロス駅。前後左右どこを見ても人人人人人人人人。スーツを着こなした会社員。これから旅行と思われる大荷物の女性。カバンを持った小さな子供達。朝から大賑わいだ。
どの人も忙しそうに、電車が来るのを待っている。

ここ、キングズクロスに来て電車に乗らないのなんて一部の…私たちのような人くらいだろう。

朝のラッシュで乗り損ねたおじさんを横目に、私は荷物いっぱいのカートを押し、ホームの入り口へ向かう。
一見、ただの柱。この巨大な駅を支える柱の一本。

だが、ここが別世界に通じる入り口など誰も知らないのだ。


柱に向かい、小走りになる。

自然に、自然に。
少し操縦を間違ってしまった、柱にぶつかる…そう見えるように。
少し足を早める。


ああ、これからを思うと、またペースが上がっていく。
/ 4ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp