第2章 適合者
「行かない?」
「通常、イノセンスは自分の適合者を見つかると適合者の元へ飛んでいくはずなのですが……このイノセンスは彼女を見て輝きを強めただけなのです」
「うーん、とりあえず明日来るエクソシストを待つしかないですね……」
「そうですね」
コンコン
「はーい」
アレンがドアを開けるとそこにたっていたのは先ほど案内をしてくれた少女だった。
「自己紹介をしていなかったなと思い、伺いました」
「あ、ご親切にどうも」
「私はアランと申します。なにかお困りのことがあればぜひ、私に言ってください」
アランはニコリと笑うと手を差し出した。
アレンも手を差し出し握手をすると自己紹介をした。
「僕はアレン・ウォーカーと言います。こっちはトマです」
「どうも」
「アレンさんとトマさんですね!よろしくお願い致します。お2人はどれ位宿泊されていく予定ですか?」
「あ、明日仲間がここの近くの駅に来るはずなんです。なので、明日にはもう出発すると思います」
「そうなんですね。ではぜひ今日の夜酒場の方へいらしてください。私、夜は酒場で歌を歌わせていただいているんです」
「歌?」
アレンとトマは同時に反応した。
「え、あ、はい。歌です……けど……何か……?」
「あ、いえ、どんな歌を歌っていらっしゃるんですか?」
「その日によっていろいろと違います。よろしければぜひ」
アランは二人の反応を疑問に思いながらも2人を酒場へ誘った。
「わかりました、夜伺わせていただきます」
アレンがそう言うとアランは満面の笑みを浮かべて頭を下げた。
「ありがとうございます!それでは夜お待ちしておりますね!」
アランはニコニコとしたまま仕事に戻っていった。
アレンは静かにドアを締めるとトマの向かいのベッドに座った。
「トマ……どう思いますか?」
「……彼女で間違いないと思いますが……イノセンスの反応によります。彼女の歌を聴いてみないことには……」
「そうですね、じゃあ夜まで待ちましょうか。トマも疲れたでしょう?少し休んでください」
「ウォーカー殿は?」
「僕は少し外を走ってきます。しばらく体を動かしていなかったので」
「わかりました、お気をつけください」