第7章 夢の中の会合
ララがそう言って指さしたのはティキがアランに送ったネックレスだった。
「あなたが忘れない限り、愛しい人はここにいる。彼の元へ戻るためにも……どうか……このイノセンスと一緒に戦って……!」
「……っ……私……ララさんの為にも……ティキさんのためにも……一生懸命戦って……この戦争を必ず終わらせてみせるよ」
アランは覚悟を決めてララを見ると、ララはにこりと笑った。
「あなたがこのイノセンスの適合者でよかった……。ありがとう……」
ララはそう言うと最後にアランにそっと抱きついた。
アランが抱きしめ返そうとするとララは白い白い羽根となって消えてしまった。
するとアランにも突然眠気が襲ってきた。
アランは白い羽根をひとつつかむと意識を手放した。
「アランちゃん……?」
名前が呼ばれ目を開けると目の前にはリナリーがいた。
「リナリーさん……?」
「アランちゃん、体調は大丈夫?」
心配そうに顔をのぞき込むリナリーにアランは少しだけ苦笑した。
「大丈夫ですよ。それと、お願いしたいことがあるのですが、いいですか?」
「私に出来ることならなんでも言って」
「コムイさんがいるところまで案内してもらえませんか?」
アランがそう言うとリナリーはすぐに頷き、共にコムイの元へ向かった。
本当はまだ怖いけど、ララの思いをきちんと受け取った。
ララにイノセンスを任されたからにはちゃんと自分のなすべきことを探さなければならない。
きっと自分はまだ新人だからすぐに戦場に出るということは無いはず。
最初に訓練などをしなければ戦力になんてならないはずだ。
自分が頑張ることによって少しでも早くこの戦争が終わるのなら、本望だ。
新たな決意を抱いてアランは室長室のドアをノックした。
「誰だい?」
中からコムイの声が聞こえる。
アランは胸の前でぎゅっと手を握ると声を上げた。
「アランです。室長にお話があり参りました」
しばらく間を置いて中からどうぞという声が聞こえた。
アランは息を吸うとドアを開けた。