第6章 黒の教団
あれから半日近く列車に乗り、黒の教団近くの海からボートに乗り換えたりと、教団についたのは夜も更けた頃だった。
「ここが黒の教団よ」
リナリーに手を引かれアランがボートを降りると白い服を着て眼鏡をかけた男性と少しコケた目の下に隈がある男性が入口にたっていた。
「こんにちは、僕は黒の教団室長のコムイ・リー。こっちは科学班班長のリーバー・ウェンハム」
「よろしくな」
「私はアランです。よろしくお願いします」
アランが頭を下げると二人とも微笑んだ。
「急なことで色々と混乱していると思うから今日のところはゆっくり休んでほしい」
「今日からここがお前のホームになるんだ。くつろいでくれ」
入口から繋がっている階段を登ると中央が吹き抜けになっている広い場所に出た。
「リナリー悪いけど、アランに部屋を案内してもらってもいいかな?」
「悪いな、リナリー。仕事が立て込んでんだ」
コムイとリーバーはそれだけいうとそそくさと去っていってしまった。
「ごめんなさいね、いつも仕事で忙しいのよ。私が部屋を案内するわ。あと、軽くだけど教団内も案内するからついてきて」
リナリーは再びアランの手をとると歩き始めた。
案内をするリナリーの声は少し嬉しそうで、足どりも軽かった。
「リナリーさん……なんだか嬉しそうですね……」
アランがそういうとリナリーは一瞬キョトンとした後に顔を赤くした。
「やだ、そんなにわかり易かったかな……。私、同じ年くらいの女の子と話したことなくて……。あなたが来てくれて凄く嬉しいの」
リナリーは少し照れながらアランのことを見た。
「気に触ったならごめんなさい」
「いいえ、大丈夫ですよ。私も来たばかりで心細いのでリナリーさんがいてくれると安心します」
アランがそういうと、リナリーは思い切りアランに抱きついた。
「私達きっといい友達になるわ!」
「私もそう思います!」
アランはそっと抱きしめ返した。