DIABOLIK LOVERS MOONLIT NIGHT
第5章 `Halloween party.(特別企画:逆巻)
*逆巻シュウ*
「ここにいたのか」
声がした方を見上げると、美しいコバルトブルーの瞳を此方に向けている、彼──逆巻シュウがいた。
『貴方は、此処にいていいんですか』
毎度の事ながら、そう書いた紙を見せる。ダンスホールでは、今まさにダンスを踊ろうとしている男女が見えた。
「別に、パーティーとかどうでもいい…」
『そうですか』
「──でも、」
彼が体を前に倒してきた事で、私との距離が縮まる。
「あんたとなら、一緒に踊ってもいいけど?」
『え? 顔、近いです!離れて下さい!』
そう書いた紙を見せたら、彼は悲しそうに此方を見つめて、
「…どうしても、か?」
と云ってくるのだ。これは、狡い。
『どうしても、です!』
「そこまで云われるとかなり傷付くんだけど」
『すみません』
そんな会話をしていると、ついにダンス曲が流れ始めた。
「もういいからさ、ほら」
『?』
彼は私の手を取り、そのまま私の手の甲に口付けた。
「俺と踊りなよ。お姫様」
パーティーはまだ、始まったばかり。