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太陽に焦がれて

第1章 たすけてクー・フーリン


馬鹿。そう、どう考えても馬鹿だ。でも好きになってしまったのだから仕方ない。

『全能たる神よ 我が業を見よ!…そして絶望せよ。』

思えば、彼の召喚に成功したあの時もう既に、囚われていたかもしれない。圧倒的なカリスマ性ってきっとああいうことを言うんだ。
そのあまりに不遜な言葉を何の躊躇いもなく言い放つ……しかし確かにそれほどの強大な力を、器をこの人は持っているのだと、その場にいた誰もが瞬時に理解した。

そして私はその傲慢さの中に、ギルガメッシュとは違う何か暖かく大きなものを……まさに太陽のようなそれを、確かに感じた。

「ねえ、ギル様のせいかもしれない」
「「はぁ?」」
両側から同時に怪訝そうな声が上がる。
「ギル様があまりにも平然とみんな殺すマンの慢心王で何度も痛い目に遭ってるから、同じくらい圧倒的傲慢マンでキンキラキングなのにずっと優しくて愛を知ってる陛下にやられちゃったのかもしれない」

2人のクーがここで激しく納得しているのを感じる。
ランサーは特に、ギルガメッシュの事が大嫌いで常日頃から噛み付かんばかりの勢いな訳で。
「ほら AUOと違って陛下は心底周り中を見下して貶してないっていうか……いやAUOだってそれは、そんな、ただ横暴で傲岸不遜なだけの人じゃなyモガモガ」

「うっかり聞かれたら余裕ぶっこいて笑うだろうがそれもすげえ腹立つからそれ以上言うな」
二人がかりで口を塞がれる。

ギルガメッシュも酷い言われようだ。嫌いな訳では無い。が、出来ればあまり一緒に戦いたくはない。それはそれは強くて頼りになるのだが
遊び始めるし
その暇を持て余した英雄王の遊びが
私や周りのサーヴァント達にとっては割と深刻な大騒動&命の危機で
でも正直 すごいイケメンだから時々見たかったりするな

などとこちゃこちゃ考えていると、キャスターが手を離して私の頭を撫でた。
「んなこと言ってもな。金ピカ野郎がいけ好かねえのは同意するが、それがなくたってきっとお前はあいつに惚れてたんだよ」
「……わかってるよ……あと私別にギル様嫌いなわけじゃないんだ」
ちょっと人のせいにしてみたかっただけ。
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