どうやら私は死んだらしい。【HUNTER×HUNTER】
第5章 素性
『いや、違うから』
サキがピシャリと否定する。
あの、私まだ何も言ってないんですが……。
『昔の知り合いがね、団員やってるらしいのよ。もう、交わることも無いだろうと思ってたから、ちょっとね』
そう言うサキは、ふっと過去を振り返ったらしい。
彼女の手を引く、甚平を着た少年とタンクトップに短パンの少年。屈託ない笑顔を見せる、紫がかったピンクの髪の幼い少女。本を片手に真剣に文字を教えてくれる、前髪の長い少年。
幼なじみ。そんな言葉がしっくり来るような、あたたかな映像が脳裏に広がる。
──これは、ノブナガ、ウボォー、マチに、クロロ……?
あぁそうか、と私はサキが今朝思い返した中の、ごみや瓦礫の映像を思い出した。
あれは、流星街の映像だったんだ。
『……正解。ってか、漫画だと今のアイツ等ってそんな感じなんだ。まぁ、ぽいっちゃぽいけどさ』
私が少年少女達に重ね合わせた場面が悪かったのか、サキは口元に手を当て、くすりと笑う。
『そっか、アイツ等、まだ生きてるんだ。はは、しぶとー』
言葉とは裏腹に、サキの“嬉しい”という気持ちが伝わる。
『ヒソカも今、幻影旅団の団員をしているんです』
言うに何の憚りもない。
そう感じた私が現状を伝えると、サキはやや驚きつつもちらりとヒソカを確認し『なるほど、そーゆーことね』と、すぐに納得したようだった。
ヒソカが、不思議そうに微かに首を傾げる。
『ねぇサチ。あたしはやっぱり、アンタの知ってる未来ってヤツが気になるわ。でも今見た映像だって、ひょっとしたらあたしの記憶のどっかから引っ張ってきて出来た妄想かも、とか思っちゃうワケよ』