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どうやら私は死んだらしい。【HUNTER×HUNTER】

第5章 素性







『ここは確か、ウィーズの野郎の第二邸宅……』

路地裏から、私達は一軒の豪邸を見つめる。
消防車からの放水を飲み込むように火の粉が吹き、煤色の壁が脆く崩れ始めている、豪邸を。

「今際の際に火を点けたか」

ヒソカが、ぼそりと呟いた。
当の私は、手の施し用のない惨状にただただ呆気に取られ、複数本の水のアーチの行方を目で追った。
不思議と、ヒソカに対する怒りは無い。
ただ、どうしようもない無力感があった。

『……もう、十分よね』

気遣うように尋ねるサキに私は、はい、と小さく答える。
けれど思うのは、ひょっとしてあの時──ヒソカが突然飲み物を買ってくると言い出したあの時──無理にでも付いて行けば、この惨状は防げたのではないか?という有りもしないような可能性。

『有りもしない。全くその通りよ、サチ。アイツが大人しく監視なんてされる玉だと思うワケ?』

サキに言われて、もっともだ、と思う。
けれど頭の中を占めるのは、じゃあどうすれば彼を止められたのだろう、という一念。
そもそも、何故ウィーズ氏?を殺害する必要があったのだろう。天空闘技場では一応誰も殺していないのに、わざわざこんな所まで来て誰かを殺すなんて、気が高ぶったというには違和感がある。
つまり、ウィーズ氏殺害は初めから決まっていた犯行?
そうなると、ヒソカが個人的な恨み等で行動するとは思い難いし、例えばビジネスとか……もしくは幻影旅団等と関連があるのだろうか。
……なんて、考えが飛躍しすぎだろうかと思った瞬間、サキが訝しげに尋ねる。

『幻影旅団?なんでアイツ等の話が出るワケ?』

『だってヒソカは』

私はふと、彼女が“ある男に死以上の苦しみを与えること”が人生の目標だと言っていた事が気になって、言葉を止める。

『サキは、どうしてそんなことを尋ねるんですか?それってまさか──』
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