第10章 掃除の管理人《前編》
正直な所隼さんは何をするか分からないので、大人しく座っててくれると非常に助かるわ。
このまま大人しくしてくれている内に、さっさと掃除を終わらせちゃおう。
私はシンクに置いていた換気扇の羽根をいらないスポンジで洗い、綺麗にする。
そしてまた脚立に登り、羽根を取り付け、新しい換気扇のカバーも取り付けて換気扇の掃除は終わり。
私は脚立から降りて、脚立を共有ルームの物置にしまう。
すると、隼さんから声をかけられた。
「こはね、換気扇は終わった?」
「はい、終わりましたよ。後は床だけです」
「そっかそっか。じゃあ、僕とお茶でもしようか」
「いえ、まだ床が残ってます隼さん」
「僕、ロイヤルミルクティーが飲みたいなあ」
「……………」
……
そんなこんなで私は手をしっかり洗った後、小さい片手鍋に牛乳と予めお湯で開かせておいた紅茶の茶葉を入れ、弱火にかける。
いや、なんで掃除しにきたはずなのに鍋に火かけてるんだ私は。
しかもロイヤルミルクティーって地味に手間がかかるんですよ隼さん。
沸騰させないように見とかないといけないし…って言ってるそばから沸騰しそう。危ない危ない!
完成したミルクティーを茶こしで漉しながら温めたマグカップ2つに注ぐ。