第10章 掃除の管理人《前編》
「はい。隼さんどーぞ」
「ありがとう。こはねも僕の隣においで」
「え゛っ…あ、はい。じゃあ失礼します」
私は隼さんの隣に腰掛けると、自身のいれたミルクティーに口をつける。
あーうまい…ロイヤルミルクティーのこの濃厚な味がたまんないよね。
「うん、とっても上手に出来ているね。美味しいよこはね」
「ありがとうございます」
隼さんがご満悦そうな顔をしているので、私も思わず顔が綻ぶ。
そして…
「ところでこはね。合コンってどんな事をするんだい?」
「ゴホッッッ!!!!」
隼さんの一言に、思わず私はむせる。
「なっ…ゴホッ急にどうしたんですか」
「いやあ、こはねが合コンに行ったって聞いてね。僕合コンってした事が無いからどんな事をするんだろうって思って」
「どんな事って…まあ、簡単に言えば男女のグループが集まって交流する感じですかね」
「なるほど…で、交流を深める事でそこから恋が生まれるかもしれないってことかな?」
「…そんな感じです。まあ、だいたい皆彼氏だったり彼女だったりが欲しい人が参加する傾向にありますね」
「………へえ。なんだか楽しそうだね」
…その時私は気づかなかった。
隼さんがその時、にやっと笑ったことを。
そして、その笑みに気づかなかったことを私はのちに後悔する事になるのであった…