第3章 管理人は乙女の戦場へ
…まあ、気のせいだろうけど、タイミング良すぎてびびったわ。
そして私の自己紹介で最後だったので、その後は各々自由に話しはじめる。
私も例に漏れず、向かいの男性と他愛ない話をしていた。
「こはねちゃんって普段お酒とか飲んだりするの??」
「そうですね~仕事終わりの時にたまに家で飲むくらいですかね」
1杯目に頼んでいたカクテルを飲みつつ私は返事を返す。
「そうなんだ!俺もよくサークル終わりとかに飲みに行くんだ~!お酒強いの??」
「そ、そんなに強くないですよ~!家で飲んでもすぐに赤くなっちゃいます!」
本当は週に4回は仕事終わりにビールやら焼酎やらワインやら飲んでるとは言えない…!!
「そうなんだ!今飲んでるのもカルーアミルクだもんね!」
正直周りの友達が可愛いカクテルばっか頼んでるから、ちょっとでも女の子らしく見えるように私も合わせて可愛いカクテル頼んでるなんてもっと言えない…!!
すると……
「ぶはっ!!」
またもや私が言い終わった後に隣の個室から笑い声。
さっきからタイミング良すぎだろおい…
そんな面白い事言った覚えないはずだけど…
「俺ってば~昨日仕事終わりに~ビール4缶あけちゃったんすよ~~~」
「ちょっ…やめとけって…」
………ん?
今の隣から聞こえてきた声……
聞き覚えありすぎるんですが。
そしてなにより、昨日缶ビール4缶あけたのって…
私のことじゃねえか。
……まじで、まじでか。
いるのか、そこに、奴らが。
おそらくさっきの声的に新と海さんは確実に居る。
そして今思えば一番最初に吹いた奴は、おそらく陽だ。
どうしようどうしようと頭の中がぐるぐるしていると、向かいに座った男性が私を現実に引き戻した。
「…ちゃん、こはねちゃん!」
「っ…はい!!」
「どしたのボーッとしちゃって!まさかもう酔っちゃった?」