第6章 第5話
ヘリは大きめの広場に着陸した。アームを装着したまま例の冷却砲を担ぐ。着陸したと同時に勢いよくドアを開け怪人がいた方向に走る。
「お気をつけて!」
パイロットさんの声を遠くで聴きながら全力で怪人の方へと疾走した。
ヘリが迎撃されないよう離れた位置に着陸したため距離はあったもののすぐに見つかった。
(また、……またこいつらか)
彼らは大きいもので5m、小さいもので1m足らずとかなりの凸凹組だが、共通して身体の皮膚はブヨブヨで胸の辺りから人間のような顔が埋まっていた。
「ぐるじぃよぉおおお!!!」
「だずげでぇえええ!!!」
助けを求めてる割には表情は憎たらしい笑顔で暴れ回る。どうやらだいぶ理性がぶっ飛んでるのだろう。笑顔で暴れ回るやつらにもはや救う手立てなど無い。
私は冷却砲を構えて1番でかい怪人に突っ込む。重い冷却砲に当たった怪人は数m先にあるビルの壁に叩きつけられた。
攻撃をしたことにより他の怪人たちが気づき、襲いかかってくる。奇声を上げ走る姿は元人間とは思えないくらいおぞましいものだった。私は攻撃をかわして冷却砲で足場を凍らす。滑る足場に転び始める怪人たち。仕上げにと冷却砲を振り下ろし頭部を1体ずつ殴る。結構な重量のある冷却砲で殴られた怪人たちは1発だけでピクリとも動かなくなった。
しかし最初に倒したはずの怪人がこちらに突っ込んできた。間一髪でかわすと滑ってそのまま反対のビルに激突する。怪人が激突した壁は派手に砕け散った。そして奇声を上げると怪人は腕を振り上げて倍近くの長さに伸ばしながら振り下ろす。届きはしなかったがかなり伸びていた。
(これは早く始末するか)
腕が縮む前に凍らせ封じると、私は右腕をチェーンソーのようなものに変形させ、腕をつたって怪人に近づき首を切った。もちろん怪人は即死した。
これで終わったと冷却砲を担ぐと、どこからかすすり泣く声が聞こえる。どうやら車の影からのようだ。足音を立てないように近づくと先ほどの怪人と同じような奴がいた。
「おい、そこのお前」
「ひ、ひぃ!」
私を見るなり逃げ出そうとするが、腰が抜けたのかズルズルと後退りして距離をとろうとする。
「ごめんなさい! 許して!」
怪人の顔部分をよく見ると焦点が定まっていて、恐怖に怯えている表情だった。私はぐっと顔を近づけてじっくり観察する。
