第5章 第4話
B国警察政府直属国家安全保障部怪人討伐課。
私が海外で勤めている部署。政府直属なだけあって結構お堅い部署であり、何か些細なことでも情報を漏らしたり問題を起こしたら即クビが飛ぶおっかないところだ。私はそこで特別課員として1ヶ月に2、3回向こうに行って仕事している。
何故ここで働いているのかというと、1つは少しでもたくさんの怪人と闘って強くなるため。兄さんにはどう考えても及ばないけど、それでも兄さんみたいに強くなりたくて働いている。もう1つは出稼ぎみたいなもので、このままニート続けていればいずれ金が底を尽きて……と兄さんが路頭に迷う可能性があるのでもしもの為に金を稼いでいるのだ。ちなみに怪人のレベルによるけど1回の怪人討伐で250万程稼いだこともある。その半分くらいを兄さんの口座に振り込んではいるんだけど兄さんはあまり使ってくれない(私の服とかには使ってるらしい)。
で、今私は討伐課が用意した専用機に乗る為また空港に出向いた。
「あ、シオン!」
カトレアが手招きして専用機まで案内してくれる。カトレアとは電脳空間からの仲で彼女も同じ討伐課の仲間だ。
「レベル2の怪人が複数体……これは大事件が起きる予感!」
「いつものことでしょ」
討伐課が定めている怪人レベルというのがあり、レベル1からレベル5までがある。具体的には、こっちの『ヒーロー協会』とやらが定めている災害レベルと同じようなものだ。
「もうそうやって……つまんないなぁ」
「はいはい」
専用機に乗り込み席に着く。専用機は現地に移動するだけのようなものなので旅客機よりはこじんまりとしているが、それでも立派な設備が備わっている。
「シオン、パソコン使う?」
機内の冷凍庫からアイスを取り出すカトレアに私は首を横にふる。
「寝る。着いたら起こして」
「えー……わかったよ」
お願いね、と念を押して私は頭から毛布を被った。