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私ヒーローじゃないんですが【ワンパンマン】

第5章 第4話


現地に向かうとそこは森の入り口だった。既に討伐課のみんなは待機していて、各々武器を手入れしていたり軽食を食べている。
「お、きたきた。おいみんな一回手止めてー」
課長が手を叩くとみんな一斉にやっていることを止め、耳を傾ける。
「今回はレベル2の怪人複数が相手だ。でもレベル2だからといって油断は禁物! みんな無茶はしないように! それじゃ作戦通りにね!」
解散! と課長の合図を皮切りにみな、それぞれ森に入っていく。
「あ、作戦わかんねぇ」
「スマホに内容が届いてるよ」
カトレアに言われ、スマホを開くと確かに作戦内容が届いていた。私は画面をスクロールさせながら森に入る。
敵はここから5キロ歩いたところの幽霊屋敷に集まっているらしい。そこで屋敷を囲むように突撃して1匹でも外に逃げる怪人がいないようにしようということだった。
「でもこれ私だけ後ろで待機になってんだけど」
「それはシオンが出るほどのことじゃないってことだよ。レベル2とはいえ集団行動を起こしているとすれば何か大きな動きがあるかもしれない、って念のために呼んだだけだし」
「念のためかよ」
私は呆れながらも森の道を進んでいく。

「ねぇ帰っていい?」
後ろで幽霊屋敷の残骸を眺めながらカトレアに尋ねる。課員の1人が屋敷を爆破して中から雑魚怪人が出てきたのを袋叩きにしてから15分くらいだろうか。もう動ける怪人はおらず全滅したと言っていいだろう。

グオオオオオッ

しかし突然地面が盛り上がったかと思ったら、巨大な熊のようなおどろおどろしい怪人が出てきた。
「これはレベル4はいくな……みんな退散!」
課長が叫び、みな一目散に後ろに逃げ出す。怪人はそれを見て追いかけてくる。
「全く……」
私は前に出て怪人の顔面に触手のパンチをくらわす。怪人は首をボキッと音を立ててすっ飛んだ。
「やった?」
「首折ったと思うんで大丈夫かと」
「じゃあ後は怪人研究課に任せて帰るよ!」
たったそれだけで課長は来た道に走っていた。あっさりすぎる勝利にモヤモヤしながらも、いつもこんな感じだよなと自分を納得させて私も帰る。
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