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私ヒーローじゃないんですが【ワンパンマン】

第3章 第2話


――朝6時。
鳥のさえずりが聞こえる清々しい朝、私はベッドから身体を起こす。
(とりあえず顔洗うか)
洗面台に向かい、蛇口をひねる。冷たい水で目を覚ますとささっと身支度を開始する。ついでに軽く洗濯物と掃除を済ませ、全て終わった時には7時を少し過ぎていた。私は部屋を出て隣の兄さんの部屋に入る。まだ兄さんは寝ていたけど、まぁいつものことなので朝ご飯を作り出す。
毎回毎回私は兄さんと同じ部屋で過ごしたいとお願いしているのだが、どういうわけか兄さんは首を縦に振ってくれない。仕方なく夜の11時から朝の7時までは自分の部屋で過ごし、7時からは朝ご飯を作りがてら兄さんの部屋で過ごしていいというルールができた。
(ここ最近和食ばかりだったから洋食風にしようかな)
こういうわけで私は今日も朝ご飯を作る。数日前に食べたアメリカンブレックファーストとやらを思い出してこの前の卵を取り出す。

(我ながら今回も上手くできたな)
テーブルに並んだ料理を見て心の中で胸を張る。どの料理も美味しそうにできていてこれなら兄さんも満足できるだろう。
(まぁ、兄さんはいつも美味しそうに食べてくれてるけどね)
もうそろそろ起こすかと布団を見ると汗だくで息を切らしているようだった。一瞬不安がよぎったが、いい笑顔をしているところを見るといい夢を見ているのだろうと放っておくことにした。
(洗い物でも済ませておこうかな)

ジリリリリリリリリリーーバスコムッ!
「あ、起きた? おはよう」
目覚ましの音と鈍い音にリビングを覗くと兄さんが布団から身体を起こした状態でぼーっとしていた。
「おはよう……シオン、地底人は?」
「そんなやつ知らんけど今日も地球は平和だよ」
「そっか……」
あからさまにがっくりと肩を落とすところを見ると相当楽しい戦いだったのだろう。正夢になられると困るが。
「ふはははは!」
突然外から下品な笑い声が聞こえてきた。
(まぁた怪人か?)
「あー、先食べててよ。俺が倒してーー」
しかし私が言い終わる前に兄さんはヒーロースーツに着替え窓から飛び出していた。
「地上人ども覚悟しーーズドンッ」
しばらくすると何も聞こえなくなった。
「……料理、温め直しておこうかな」
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