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【ONE PIECE】 海の娘 ウミノコ

第4章  家族








あの日サッチは、敵船から悪魔の実を見付けた。
悪魔の実は、食うのも売るのも見付けたヤツが決めろと言ってオヤジは関与しない。

その悪魔の実は、ティーチが長年探していた実。
サッチを殺して奪い、逃げた。

この船で絶対犯してはいけない鉄の掟 仲間殺し。

甲板で倒れるサッチを見付けた時、俺は信じられなかった。
数時間前まで、敵船に勝ち祝杯を挙げていたのに。

仲間達が居なかったら立ち直れなかったと思う。
それ程、信じられなかった。


「、あの時いたのかい?」

駆け寄ったサッチのそばで感じた暖かな空気。
一瞬であったが確かに俺は感じた。

『・・うん・・・普段は、あまり使わない様にしてた。
けど、けどあの日は何故か・・勝手に力が働いて・・
気付いたら、サッチ兄様とティーチ兄様がいたの』

意識だけ飛んだのだろう。
まるで、そこにいるかの様に感じるという。
一部始終、手に取るように。
だが、手を出せないもどかしさ。
それをは、1人で感じ1人で耐えてきたというのか・・

そっと、オヤジに身を預ける。
は、まるで本当の兄妹の様にサッチと過ごしていた。
あの光景が今でも目に浮かぶ。

「・・、俺達は死に目に会えなかったッ。
ありがとう、大切な息子を看取ってくれて・・・
ありがとうよッ」

『・・とと、さまぁっ』

ギュッとオヤジに抱き付く。

あぁ、何故だろう。
この胸の騒めきは・・・
こりゃ、まるで・・

「・・・今、21と言ったな。
だとすれば、21年前に産まれたわけか」

この空気を破る様に発せられた言葉。
赤髪だ。

「・・赤髪、用は済んだはずだい。
さっさと帰れよいッ!」

「あぁ、本来の用事は済んだ。だが、別の用が出来た」

その視線の先には。
赤髪はに用があるとはとても思えねぇ。

「済まんが、そのストールを取ってやくれないか?
その顔を俺に見せてくれ」

ピリッと肌が逆立つ。
穏やかな口調だが、赤髪の覇気は騒ついていた。

「・・グラララ、これも運命だ。
、見せてやってくれッ」

そう、促すオヤジの言葉にはやっと赤髪を見て、頭の部分だけストールを外した。











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