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【ONE PIECE】 海の娘 ウミノコ

第4章  家族






目が覚めたら全て夢だった。
そんな夢みたいな出来事を私は本気で望んでいた。



『・・・マルコ、兄様?』

「・・うん?、起きたかい」

ここはマルコ兄様の部屋。
隊長達は個室を与えられていて、マルコ兄様に抱きしめられたままベッドに寝ていた。

寝ていても小さな声で呼ぶと必ず目を覚ましてくれていたマルコ兄様。
今もそれは、変わらない。


「まだ、夜中だよい。もう少し寝てろい」

再び寝かせようと背中を撫でる大きな手。
私は、ピタッと隙間なくマルコ兄様にくっ付いた。

「・・・、ちょっと離れろい」

『えっ?・・どうして?』

「いや・・お前が悪いんやない、ちょっとばっかり寝起きには・・・」

言葉を濁すマルコ。
だが、私は離れる気は無い。

「・・・男いるならわかるだろ?」

『・・男?』

わかんねぇのかい と、呟きたマルコは仰向けになり顔に腕を乗せ隠してしまった。

「・・・・そんな派手に主張してんだろう」

あっ!
もしかして首筋の痕に気付かれちゃった?!

『あっ、これはその・・
彼氏とは違うって言うかその、あの、・・・』

「彼氏じゃないのかい?!」

私の顔の横に手を付き、勢い良く身体を起こすマルコ。
俗に言う壁ドンならぬ床ドン。

うわぁ〜、初床ドン!
って思ってる場合じゃない!!

「誰なんだい?!
青雉か?黄猿か?クソたれった若い将校か?!」

どれも違う。
だが、誤魔化せる程の猶予は無い。

『・・彼氏じゃないけど好きっては言われてるし・・・』

「は好きなのか?」

私は、私は・・
ベガパンクの前で泣いた。
今まで泣き付く場所はマルコ兄様の腕の中だけだったのに・・

『・・わからない』

けど、心を許し始めたのは確かだ。
ちょっと無理矢理的だったけど、ベガパンクに包まれるのは嫌じゃなかったのが本音だ。

「・・・そうかい」

態勢を元に戻したマルコ。
その表情は、複雑そのもの。

その後、名前を呼んでもマルコ兄様は寝ろと一切取り合ってはくれなかった。







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