第1章 きっかけ
「ふーん、じゃあ次私の髪も解かしてよ」
私はそう言ってスクールバックを机の横にかけると椅子に座った。
「夢っちは充分サラサラじゃん」
「えー…ミユはいいのに私はダメなの?」
私は頬を膨らませる。
それに呆れたようにナナは言った。
「ミユは髪質が絡まり安いからちゃんと解かしてあげてるの」
それに続き、ミユは自慢気に鼻を鳴らす。
「つまりミユは特別ってことなんだよぉ、えへへっ
夢花ちゃんざまみろぉ」
お嬢様で、ふわふわしてて可愛いミユだけど口を開けばこんな感じだ。
天使みたいな顔でサラリと毒を吐く。
しかも悪気が無いから怒るに怒れない…。
「もうっ、せっかく昨日の夜クッキー焼いてきたのに!2人にはもうあげないからねっ」
私はそう言ってそっぽを向く。
すると意外な反応が帰ってきた。
「あ、うん
いらない」
「ぶっちゃけ夢花ちゃんの作るお菓子って人殺せるほどくそ不味いんだよねぇ〜
ミユも死にたくないからいらなーい」
なん…だと…!?