第1章 きっかけ
通勤ラッシュによる満員電車になんとか耐え、学校に着くと教室で親友のミユとナナが待っていた。
「おはようミユ、ナナ」
「オッス!夢っち」
「夢花ちゃんおはよ〜」
2人とは入学当初からずっと仲良しで部活も同じだ。
ナナはミユの髪を櫛で解かして弄っていた。
「髪結んであげてるの?」
「うん、ミユの髪ってふわふわしててつい弄りたくなるんだよね
自分の髪が短いからなおさらね」
そう言ってナナは櫛を持っていない方の左手で自分の髪を撫でた。
ショートヘアの髪は少し跳ねていて、軽い印象を持つ。
ナナはショートが似合うくらい顔立ちが整った美人さんだ。
しかも明るくて誰にでも分け隔てなく接するからかなりモテる。