第4章 【R18】カンダウリズム(トド松)
ほんの悪戯心で僕は夢花ちゃんを脅かそうと思い、襖をゆっくり開ける。
運良く夢花ちゃんは襖に背をむけていたから気付かれなかった。
気付かれちゃったら脅かせられないもんね。
そっと抜き足で彼女の後ろに忍び寄る、すると何か書いていることに気付いた。
それは履歴書だった。
高校を中退して、働かないといけないと考えているんだろう。
昨日もハロワに行って職探しをしていたらしいし、本当に頑張ってる。
でも、もし…就職が決まったら、いつもみたいに話せなくなるのかな。
僕たちと違って、彼女はがんばり屋さんだから
与えられた仕事は精一杯こなすだろう。
容姿も可愛くて、性格も良いから上司や先輩もきっとほっとかない。
そうなってしまえば…僕たちのことなんてきっと見てもらえる暇なんてなくなる。
そんなの嫌だ。