第4章 【R18】カンダウリズム(トド松)
翌日、私と六つ子は黒い服に身を惑い、お坊さんのお経と木魚を静かに聞いていた。
あの十四松くんでさえ、大人しくしている。
今日は私の家族のお葬式…。
友引を挟んでしまったので少し遅くなってしまったけれど…。
背後からは、パパの会社の友達やママが仲良くしていた近所の皆さん、弟の同級生達の啜り泣く声が聞こえていた。
その中にはわざわざ秋田から駆けつけてきてくれた松造さんと松代さんもいた。
私は3つに並べられた黒い枠で縁取られた家族の写真を見て涙する。
3人は私を置いて逝ってしまった…。
悲しかったけれど、それよりも私の家族を殺した犯人のことが気になる。
あの日、私の家から出てきた黒い帽子を被った見知らぬ人…。
あの人はどんな思いで、私の家族に手をかけたんだろう。
どうして、死んだのが私の家族だったんだろう…。
そして2時半頃、参列が終わり私達はその後の飲み会などには参加せず、葬式会場を後にした。