第1章 きっかけ
一通り身支度を整え、一階のリビングに降りるとママが朝食の用意をしてくれていた。
テーブルの席にはコーヒーを飲みながら新聞を読むパパもいる。
「おはよう」
「あら、おはよう
今日も早いわね」
挨拶をしてリビングの中に入るとママはフライパンで目玉焼きを作りながら、挨拶を返してくれた。
「パパも、おはよう」
私はパパの向かいの席に座る。
「おはようございます、夢花さん」
パパは新聞から顔を上げるとニコリと笑った。
「朝ごはん出来たわよ〜」
そう言いながらママはテーブルに目玉焼きと焼き魚、白いごはんにお味噌汁等を並べた。
朝から美味しそう!
「わぁい!いただきまーす!」
私は手を合わせ、ほかほかのご飯にありつこうとしたその時。
「寝坊したぁあぁぁ!!」
悲痛な叫び声をあげながら、弟が現れた。