第2章 【R18】エメトフィリア(一松)
「夢花」
「はい?」
名前を呼ばれ私は十四松くんに後ろから抱きしめられたまま声の主の方を向いた。
そこには今時誰も着ない様な黒光りする皮ジャンと
目が痛くなるくらいギラギラしたラメ入りのズボンを履いたカラ松くんが…。
高校時代は優しくてかっこいいとそれなりにモテていたとかいう噂が私が当時通っていた中学でも流れてきていたけれど。
今じゃどこで道を間違えたのか…。
せめてそのズボンはやめようよ…。
呆れながらそう思っていると、カラ松くんの唇が私の頬に当たった。
「…は!?」
私は思わず頬を手で抑える。
「なんでキス!?」
「なんでって…チョロ松も夢花を撫でていたし、十四松だって抱きついたろ?
だから、俺も何かした方が良いと思っ…ゲフッ」
言い終わる前に脇腹を蹴られ、カラ松くんは倒れる。
蹴ったのは一松くんだった。
相変わらずカラ松くんに対して容赦が無い。
「喋ってんじゃねえよクソ松が
蹴るぞ」
いやもう蹴ってるし
すごい理不尽な理由なんだけど。
そこはツッコまないでおいた方が良いのかな。