第1章 きっかけ
次の日。
全国に赤塚区で殺人事件が起き、3人が死亡したとニュースで広められた。
家族を一気に失ったショックが大きかった私は警察の事情聴取も断片的なことしか答えることが出来なかった。
そして流れるようにして高校を中退。
昔のトラブルで親戚とは絶縁している為、身寄りなんてなかった。
一瞬にして私は何もかも失ったのだ。
夜、公園のベンチでぼんやりと、空を眺めていると向こうから赤いパーカーが近付いて来ていた。
「ありゃ?誰かと思ったら夢花じゃん、何やってんのこんな所で
早く帰えんないと親心配するよー?」
ニュースなんて普段見ることのないおそ松くんは私がいまどんな状況かなんて知らないんだろう。
おそ松くんの言葉に、家族のことを思い出してしまい私は泣き出してしまった。
それにおそ松くんは慌てる。
「え!?どしたの!?
なんかあった!?」
「ぐすっ…実は…」