第4章 【第2章】私の友達
チユリ『何時に命す。その姿をここに現せ。女神の鏡!(ミジェール・メイデン)出よ!大空の貴公子、ペガサス!』
魔道書に宿るジン、ミカエルの力を使い光る文字を読み上げると眩しい光と共に大きな翼を持ったペガサスが目の前に現れた。
紅玉『いつ見ても綺麗よねぇ。チユリちゃんの召喚する幻獣って。』
ぽつりと隣で玉ちゃんが呟いた言葉が聞こえたのか、ペガサスは誇らしげに大きく翼を広げた。
チユリ『マグノシュタットまでお願いできる?』
ペガサスに聞くと頷いた。
彼は一応は話せるのだが人見知りが激しくユニコーンがいないと声が出せないらしいが、ユニコーンは空を飛ぶことが出来ないので今回は召喚をしなかった。
私のことを信頼はしてくれているようだから特に気にしてはいないのだが、少し直さなければいけないところである。
紅玉『ペガサスちゃん、お願いねぇ』
玉ちゃんの声を聞いてペガサスは小さく頷いた。
一応はそれなりのコミュニケーションは取れるし、もう一押し…といった所だろうか
チユリ『さ、行こっか。』
玉ちゃんをペガサスの背に乗せ、それに続いて私も乗ると彼はバサッと音を立てて空へと飛びはじめた。
紅玉『わぁ…!ジュダルちゃんに前に絨毯で空をお散歩したことはあったけど…ペガサスちゃんはもっと高く飛べるのね!もうお城があんなに小さいわぁ!』
小さな子供のように、はしゃぐ紅玉を見て微笑ましい気持ちになった私も段々と小さくなって見えなくなっていくお城を眺めながら、気持ちよく吹き抜ける風とペガサスの動きに身を委ねた。