第4章 【第2章】私の友達
ペガサスに乗って早くも一時間程の時が経ち、マグノシュタットが見えてきた。
本来ならばこの入国審査を受けなければいけないのだが、行き来を繰り返しているうちに、紅玉は王族、私は女神の器の持ち主、アラジンや芙蓉達の友人ということで特別な入口からの自由な入国が許可されていた。
ペガサスから降りると門番の男性が温かく出迎えてくれた。
門番『おお!これはこれは…チユリ様に紅玉様。お待ちしておりました。彼女からお話は伺っています。どうぞお入りください。』
チユリ『ありがとうございます。』
入国の許可も降りたので玉ちゃんと一緒に門をくぐり抜けると相変わらずの空間が広がり一瞬の目眩を覚えた。
そういう時は目を閉じるに限る。
こういう空間はどちらかと言うとあまり好きではない私はギュッと固く目を閉じ空間の終わりを告げるのを待った。
そして、風を感じると同時に目を開ければ…
チユリ『…うん、マグノシュタットの街へ到着!』
紅玉の様子を確認して、待ち合わせ場所の噴水へと向かうと、そこにはもう既に到着していた友人の零奈が居た。
チユリ『あ、零奈!もう来てたの?』
零奈『どーも。リコも来てるけど喉乾いたって言って飲み物を買いに行ったわよ。』
芙蓉の姿が見えなかったので彼女に聞くとやや呆れ気味に『多分寝坊』と答えた。
リコ『お待たせー!飲み物買ってきたよ。』
チユリ『あ、リコ!』
パタパタと可愛らしい足音を立て駆け足で来たのは友人のリコ。
紅玉『リコちゃん!お久しぶりねぇ。この間の手合わせ以来かしら?』
リコ『紅玉ちゃん!久しぶりだねー。』
この2人は立場が似ているためか仲が良く、リコが煌帝国に来ると2人で鍛錬をしている姿をよく見かけていた。
話に花を咲かせている様子を見ていると、ドタバタと騒がしい足音を立てながら焦った顔をした友人、芙蓉が来た。
芙蓉『みんなー!ごめんね!寝坊しちゃって…』
申し訳なさそうな顔をして彼女が言うと零奈は呆れた顔で
零奈『わかってたから大丈夫。』
と言った。