第4章 【第2章】私の友達
芙蓉『うぅ…零奈は冷たいなぁ…』
芙蓉は零奈の言葉を聞いて頬を膨らませたのに対し、彼女は『絶対零度ですから。零奈だけに』と返した。
あ、今うまいこと言ったな…と思ったが怒られるのは嫌だったのであえてなにも言わない事にした。
チユリ『まあまあ、全員揃ったし…行こうよ。』
紅玉『そうねぇ。みんなで遊ぶの久しぶりだから楽しみだわぁ。』
行き先は考えてない。風の向くまま気の向くままのマグノシュタット巡り。
とりあえず、行く直前に皇子達に頼まれたおつかいを忘れなければいいや…なんて考えながらみんなと歩き始めた時、突然芙蓉はこんなことを言い出した。
芙蓉『そう言えばみんなは彼氏とか出来たの?』
リコ『彼氏?』
芙蓉『うん!うちはいないけど…みんなは?』
紅玉『私は恋は当分はいいかしら…今こうやって、お友達と一緒にいた方が楽しいもの。』
恋愛に対する考えは人それぞれ。
恋よりも友情を大切にする人、関係の進展を望む人、モテたいと考える人などなど
私は…
チユリ『私も、みんなと居る方が楽しいかなぁ。』
正直な所、私は好きな人がいた時関係の進展を特に望んだりはしなかった。
気持ちを伝えて関係を壊してしまうかも知れないという考えからの躊躇があったからだ。
恋をしたとしても友達位のラインで済ませる。
それ以上の進展は要らない。
紅玉『チユリちゃんは紅覇お兄様でしょぉ?』
私の言葉を聞いて、玉ちゃんがからかうかのように少しニヤついた表情を浮かべたので
チユリ『だから違うって…紅覇は友達。』
と返事を返すと3人は驚いた顔をした。
芙蓉『え、付き合ってなかったの?』
リコ『私てっきり付き合ってるかと思ってた。』
零奈『チユリが男の子を呼び捨てで呼ぶことなんてよっぽど仲が良くない限り有り得ないもんね。』
なんて3人とも、まるで私と紅覇が付き合ってると思ってたかのような言葉と反応を見せた。