第3章 【第1章】いつもの朝
こうして、他愛のない雑談をして食事を済ませた私達は紅覇の部屋に向かうことにした。
チユリ『紅覇ー、いるー?』
扉の前で呼ぶと中から『いるよぉ〜』という声がしたので入るとそこには準備万端で髪飾りや香水を吟味している彼の姿があった。
しかもどれもこれもお高そうな物ばかり
紅覇『まってたよぉ。さ、なにか希望の髪型はある?決まった方からやるからさぁ。』
チユリ『紅覇におまかせする。玉ちゃん、先いいよ。』
紅玉『あら、そぉ?じゃあ…』
玉ちゃんが紅覇に、ヘアセットをしてもらっている間私は読みかけの本を読んで待つことにした。
内容は簡単に言えば前の世界の携帯小説の様なものである。
紅覇『その本ほんと好きだよねぇ…』
玉ちゃんのヘアセットをしながら紅覇は話しかけてきた。
チユリ『うん。結構面白いよ。気になるなら今度なにか貸そうか?』
因みに今読んでいるのは恋愛小説。
内容は初めての恋をした少女とそれに気づかない少年の純愛を描いた定番の物。
紅覇『えぇ〜、僕はいいよぉ。そういうのよくわからないって言うかぁ…なんか、どんな状況であっても、主人公かその恋の相手にとって都合良すぎる展開になり過ぎてあまり好きじゃないんだよねぇ…』
彼にしては意外な回答が返ってきた。
まあ、正論といえば正論なのだが。
紅玉『お兄様、意外と恋愛小説とかお読みにならないものねぇ…』
紅覇『まあねぇ…、はい、出来たよ。次、お前のばんね。』
紅玉『まぁ、さすがお兄様!ありがとうございます。』
玉ちゃんのヘアセットが終わって、呼ばれたので読んでいた本を閉じ手招きする方へと向かった。