第3章 【第1章】いつもの朝
紅玉『ねぇ、チユリちゃんって好きな殿方とかいないのぉ?』
食事中に突然彼女は私にそんな質問をしてきた。
チユリ『えー?んー…』
私も18歲だから恋をした事が無いという訳では無いが、この世界に来てから色々と忙しくそれどころでは無かった。
チユリ『今は…いないかな?色々と忙しくて恋とかしてる暇なかったし…』
紅玉『あら、そうなのぉ?私てっきり紅覇お兄様が好きなのかと思ってたけど…』
………無いな
理由なんて単純明快
顔と性格は悪くは無いが、狂ったように笑いながら人をバッサバッサ切り倒すような人、元の世界にはいなかったから。
仮に付き合ったとしてもDV彼氏になりかねないタイプだ。
現に付き人3人を叩いているし。彼女らは喜んでいるようだけれども、失礼だが私は少なくともそんな気持ち悪い人間ではないと思う。
チユリ『私が紅覇を?無い無い。まあ、顔と性格はいいとは思うけど。』
紅玉『えぇー、でも紅覇お兄様と一緒にいる時チユリちゃんとても楽しそうじゃない!』
チユリ『え、そう?』
確かに紅覇といて楽しいとは思ってはいるがあれは、友人としての距離感であって恋愛感情とかそういう甘いものではない…とは思う。
紅玉『そうよぉ!チユリちゃんの目、キラキラしてるもの!私も、また新しい恋を探さないとねぇ…』
『あれ?シンドバッドさんはもういいの?』と言おうと思ったが今の彼女にとってはそれはもう捨てた恋なのであえて口を塞ぎ料理を口にした。