第3章 【第1章】いつもの朝
紅覇『そんなに急いでどこ行くのぉ?』
玉ちゃんに手を引かれ歩いていると、先に朝食を済ませていたこの国の第三皇子、練紅覇に声を掛けられた。
彼は初めて煌帝国を訪れた際に
『お前気に入ったから滞在地ここにすれば?っていうか来い。』
と、紅玉と同じように誘われ…というより玉ちゃんとは違って『拒否権ないけど』オーラを醸し出され半ば強制的に滞在することになったきっかけの1人である。
まあ、正直な所住めればどこでもいいという思考もあったので私はその誘いに乗り、今この煌帝国で皇子や皇女達の補佐の仕事をさせてもらっている。
紅玉『芙蓉ちゃんたちに会いにマグノシュタットに行きますのよぉ。』
紅覇『あ、そうなの?じゃあ化粧とかヘアセット、してあげようか?』
紅玉は行き先を告げると彼は得意げに返した。
なんでも人の化粧やヘアセットをするのが楽しいんだとか。
紅玉『いいんですの?』
紅覇『うん。どうせ暇だしぃ。チユリもおいでよ。』
チユリ『うん。そうさせてもらうね。』
『じゃあ部屋で待ってるから』そう言うと彼は機嫌良さげな顔をして私と紅玉の頭を軽く撫で自室に戻って行った。