白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第32章 華は蝶を蝶は華を想い過ぎて…
髪を撫でた途端
ドンッと叩かれる胸に
少しこみ上げる懐かしさ
「分かってる
あー、もう…ホントお前は…
昔からさァ…」
変わってねぇな。
『なによ…
泣き虫で悪かったわね…』
「分かってんじゃん」
なんてな
そんなんじゃねぇよ。
泣いても笑っても何しても
俺を引き込んで
侵略してくる所が
変わってないって言ってんの。
『…クロだって変わってないじゃん
こうやって甘い所とか…』
「とか?」
『…胡散臭い笑顔とか!』
プイッとそっぽ向いて
離そうとする身体を
思わず抱き締めて引き止める