第2章 第1Q
帝光中学校。バスケットボール部。
部員数は100を超える、超強豪校。
今日、その帝光中バスケ部では、クラス分けテストが行われようとしていた。
「あ……全員、身長が高いな」
他には内緒で、体育館の上の階から静かに見学していた。
とは言え、少しショックを受けた。此方はただでさえ全く伸びないというのに。
そして、暫く経つと、結果が発表された。今回は、女子も数人入ってくれる様。とても有り難いね。
「…続いて一軍を発表する」
もうそこまで来てたとは。気付かなかったな。…まぁ、今年はかなり凄い。
まさか、一軍が出るなんて。
「まずは男子だ」
「8番青峰大輝」
「11番緑間真太郎」
「23番紫原敦」
「29番赤司征十郎」
へぇ、面白そうじゃない。
「続いて女子を発表する」
「1番春永美桜」
「2番秋月紅葉」
「3番冬泉雪」
「4番夏明蒼空」
「以上だ」
女子は参加者全員が一軍…。
今年は楽しめそうだね。
静かにその場を立ち去った。
…
「修」
「んだよ」
「一軍が出た」
「あ?」
あぁ…耳遠いの?修も歳か…。
「クラス分けテスト!一軍出た!」
「⁉…マジかよ…」
嗚呼、楽しみだな。そう思っていると、一軍体育館のドアが開いた。
先程見た、四人ずつの男女が入ってくる。
「今日から一軍となる男女8名だ。まずは自己紹介をしといてくれ。後は任せる」
コーチがこう言うのも、信頼の証…だろうか。
だとしたら、少し嬉しい。
「じゃ、自己紹介を始める」
修が真っ先に口を開いた。やっぱり主将だしね。
「俺は2年の虹村修造だ。男バスの主将で、ポジションはPF。宜しくな」
皆順々に自己紹介をしていく。次は私の番。
「四季咲刹那です。女バスの主将で、ポジションはPG。宜しく」
すると、1年生8人の視線が一斉に此方へ向いた。中には知り合いが数人居たけれど。
「あ、これでも2年です。身長は言わないで下さい」
あ…今凄く小さい声で、「小さくね…」と言っているのが聞こえた。…これは流石にね。
「……修」
「!な、何だ?」
「早く練習を始めましょう?」
恐らく私は今、満面の笑みでそれを口にしている事だろう。
「特別に、いつもの練習の三倍で」
その後、私に逆らうものが少なくなったのは、言うまでもない。