第7章 真珠の首飾りの女(ドフラミンゴ)
「・・・私なんかがいたらお邪魔でしょ」
ベッドの上に裸で横たわるヴァイオレットは、とても美しくて扇情的だ。
その身体をドフラミンゴの左腕が優しく抱きかかえている。
そう。
“優しく”───
「せっかくの二人きりの時間を台無しにして、ごめんなさい」
ドフラミンゴはクレイオを抱く時、まるでその身体を破壊するかのように激しく抱く。
でも、ヴァイオレットを抱く時は、まるで愛しい女性であるかのように情熱的に抱いていた。
ドレスローザの元王女であり、ドンキホーテファミリーの一人。
天竜人の元奴隷で、ドンキホーテファミリーに入らない自分と比べれば、ドフラミンゴにとってどちらが大事な女性かは明白だ。
クレイオが廊下の方へ踵を返した、その時だった。
「・・・!!」
両手足に“糸”が巻き付き、身体の自由が奪われる。
自分の意志に反してもう一度部屋の方を向かせられると、ドフラミンゴが静かにこちらを見つめていた。
「おれは“こっちへ来い”と言ったはずだ。どこへ行こうとしている」
「放して・・・!」
ギリギリと締め付けてくる糸。
これ以上この場に居たくはないというのに、それすらも許してくれない。
「何を逃げようとしている? お前とヴァイオレットは仲が良いじゃねェか」
「ドフィ! クレイオを放してあげて」
「お前は黙ってろ、ヴァイオレット」
ドフラミンゴはヴァイオレットの秘部から自身を引き抜くと、クレイオの身体を操って強制的にベッドの上まで来させた。
「なんだ、その顔は」
「・・・・・・・・・・・・・」
二ヤリと笑いながら、クレイオの頬を一撫でする。
ヴァイオレットはシーツで身体を隠しながら、申し訳なさそうに顔を伏せていた。