第9章 恋に変わるまで…*
黄瀬君とはあの日から何も変わってない。
「桜〜いい加減に仲直りしたら?もう見てるこっちが調子狂うよ!」
「別に喧嘩とかじゃないから。」
「もう〜頑固!桜の馬鹿!」
本当にまりなにもバスケ部の皆にも申し訳ないと思ってる。実際叩いたのは私だから、一応あの後黄瀬君には、叩いた事に対しては誤ったけど…
「別に。」
って言われだけ…
それ以上私にできる事はない。
今日も二軍の練習に参加している。二軍と言ってもやはり皆うまい人ばかりだ。海常のバスケ部は70人はいる…その中で一軍に上がれるのは20人ちょい、そして選手登録ができるのは12人だ…それでも皆頑張って辛い練習をこなしてる。
「神白!!裏からコーン持ってきてくれー!」
「はーい!わかりました!」
コーンを取りに行くため体育館裏に来た。ここってあんまり人来ないから結構静かで好きなんだよね…そんな事を思ってたのに、そこには似合わない大きな声が聞こえてきた。
「マジで調子乗んなよ!リョータの周りウロウロしないでくれる?」
えっ…何?思わず陰に隠れた。
「アンタがリョータに屋上で告ってんの聞いたんだよ!アンタみたいなぶりっ子がリョータを好きになる権利なんてないんだよ!」
あれは…黄瀬君のファンの子達なのかな?しかも言われてるの瀬戸さん!!?
瀬戸さん一人に対して向こうは三人、しかも手を振りかざしてる叩かれる!?そう思ったと同時に私は瀬戸さんに向かって走り始めた。
「瀬戸さん!危ない!!!」
ーーバチン!!
私は思いっきり叩かれた。口の中から鉄の味がする。切ってしまったらしい…
「いったー。瀬戸さん…大丈夫??」
「神白さん!?どうして?!!」
「たまたま通ったら瀬戸さんがいて、なんか揉めてたみたいだから…」
瀬戸さんの目からは大粒の涙が流れていた。もう大丈夫だから泣かないで。