第18章 *未定
桜が可愛いのがいけない。
アンタと出会ってから何十回…いや、何百回思ったか…
オレ…自分が怖いッスよ。
桜に、こんな悲しい顔させた奴を見つけたらマジでタダじゃおかねえ。
オレがこんな事思ってるの桜は、知らないから…こんなだけ惚れてるのも…鈍感だから気付いてないんスよね?
「あの…黄瀬君?そろそろ行かないと…皆、待ってるから。」
頬をピンク色にして上目遣いでオレを見上げる。
あぁー。その顔は反則ッス。
「…ん?大丈夫ッスよ。」
桜をもっと自分の方へ引き寄せ静かに優しく唇を啄む。
少し目を開けて見ると、ギュッと目を瞑ってる。一つ一つの仕草が全部可愛い。
「アッ…黄瀬ッくん…ダメ!!」
「ダメ?ほんとッスか?」
何回もキスはしてるのに、する度に甘さが増していっているような気になる。まるでオレが蜂で桜が蜜。蜜がなければ生きていけない、そんな気分にさせる。
「桜…?口開けて?」
「えっ…?アッ!ンン…ハァ。」
少し開いた、桜の口に舌を差し込む。ゆっくり探るように。時々漏れる声が、またオレを掻き立てる。
やべ…止まんない。
桜の小さい舌を吸ったり、歯茎をなぞるように舐める。どんどん夢中になって、頭がおかしくなりそう。
「桜…ッ。好き…ッス…ハァ…」
「き…くん…ンッッ!」
頭に回していた手を徐々に下にずらし、桜の膨らんだ胸を包んだ瞬間。ハッと現実に引き戻される感覚が襲った。
「待って!!!」
涙目になりながらオレの腕を掴む桜。
「ッッ!!ごめん!オレ…夢中になっちゃって。ごめんね?怖かったッスよね?」
オレは一体何してんだ?今こんな事して、急に盛って。ダメな男だ。
「ここ…学校だから…その…しかも部活中だし…それで…」
顔を真っ赤にして言う桜。
それって…学校じゃなければ良いって事?
うわーなんスか?その爆弾発言!!オレまで恥ずかしくなってくるじゃん!!
「嫌じゃなかっスか?」
「…はい」
「…ッッ」
そんな事言われたら…本気で襲いたくなるから、無自覚って怖いッスね…