第5章 前に進む*
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『何が奇跡の女神だよ。調子乗ってるよね〜』
『あいつの目は奇跡でも女神でもなんでもない。悪魔の目だ。』
『あんたが余計な事したから。こんな事になった』
『私達はもうあんたを必要としてない。お願いだからもう消えて。』
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「ーーら。桜……桜ってば!!」
「あっ。ごめん。呼んだ?」
「もう、なぁ〜にボーっとして。また夜寝れなかったの?」
「うん。そんな感じ。」
まただ。ふとした瞬間にかならず昔の事を思いだしてしまう…どうして強くなれないんだろう?どうして私はこんなにも弱いのだろう?こんなんじゃもしバスケ部のマネージャーをやっとしても笠松先輩や部員の人達にも迷惑をかけてしまう、いつだって私は中途半端だ…黄瀬君の先を見届けたい…そう思ったくせに、結局また昔の事を思いだして…ダメになってしまう。
「桜、バスケ部入るの決めたの?」
「ううん、でも多分入らない。」
黄瀬くんの方を見ると廊下で女の子達に囲まれてた。相変わらず安定の人気だよね。
「あのさ…入らないんじゃない。入れないんじゃないの?」
「えっ…?」
「あんたさぁ。いつまでそうやってあの時の事ダラダラ引っ張っていくつもり?良い加減にしなよ。」
「そ、そんなんじゃないよ!!」
「じゃあ何?何があんたをこんなにも悩ませてるの?また逃げるの?これから先も逃げ続けるの?ずっとあんたは自分を責め続けるの?」
「…まりなの言う通りかもしれない。でもそれでも気持ちが追いつかないんだから仕方ないでしょ!まりなに私の気持ちなんてわからないよ!!!」
そうだよ。私は私を一生責め続けないと償っても償いきれない。吐気がする。とりあえずここにいたくない。