第4章 本当の姿*
「神白どうだ?バスケ部に入る気になったのか?」
「すいません笠松先輩。もう少しだけ考える時間を頂けますか?」
「わかった。こっちはいつでも大丈夫だから、ゆっくり考えろ。」
「はい…わかりました。今日はありがとうございました」
あれ?私断ろうとしていたのに…なんで考えるなんて言ってるのかな?あんな良いチームを見てしまったからなのかな?
あとチームの他にも黄瀬涼太。彼のプレーを見てたいとまで思った。彼はこれからもっと強くなる今はまだ底に眠っている力が出てないだけで、必ず化ける。
さっきのプレーを見て確信した。彼は私の想像を超える選手になる。
でもそうなるにはまだまだ先の話。
何が足りないのか彼自身で見つけださないといけない。でも…それを見つけだすのを助けてあげたいとも思う。
自分のこの矛盾した気持ちをどうにかしたい。
中学時代…「奇跡の女神」なんて呼ばれてたけど。私にとって凄く嫌な思い出しかない。奇跡?女神?そんなの私には、似合わない。またあの頃と同じ事があったら嫌だ。もうあんな思いしたくない。でも…
彼のその先を見届けたい。ただ純粋にそう思えた。彼の本当の姿を…