第5章 前に進む*
「リョータ!これ作ってきたの食べて」
「私も!これ受け取って!」
「皆いつもありがとっ!」
ー
「まりなには私の気持ちなんてわからないよ!!」
ー
荒げた声が聞こえてきたと思ったら。神白さんが教室から飛び出して行くのが見えた。
「ちょっと皆ごめんね〜次の授業の準備あるから戻るッスね。」
「「「え”ぇぇ〜」」」
「またねっっ!」
「「キャーーーー」」
俺がひとつ最上級の笑顔をすればこんなもんスよ。よし!とりあえずまりなさんは〜。いたいた!
「まりなさんなんかあったんスか?」
「ん?なんでもないよ〜色々あんのよ〜詳しくは桜に聞いて。」
聞いてって…神白さんがどこに行ったかなんてわかんないッスよ。とりあえず探してみるか。
特に探す理由なんてないけど。あんなに怒ってるの初めて見るし。なんか気になるっていうか。神白さんの事になるとほっとけないんスよね〜。
とりあえず保健室にはいないし。定番の屋上でもなかったし。あとは…バスケ部の体育館とか?
ーーダンダンダン
ボールの音がする。体育館を除くとそこにはバスケットボールを持った神白さんがいた。
そこはスリーポイントライン。
ーーシュッ…
神白さんの手から離れたボールは綺麗な放物線を描いてゴールに吸い込まれていく。
マジかよ…あんなシュートフォームありっスか?
めちゃくちゃ綺麗。緑間っち以外の人でこんなに綺麗なシュート打つ人見た事ないッスよ。
でもなんか変ッスね?
あんなに気持ちよさそうに…でも凄く辛そうにバスケしてる。