die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第9章 episode.9
「ひゃっ!」
「…ど〜こい〜くの〜?
マイちゃん?」
つ、捕まってしまった…。
後ろから抱き締められてる。
「あ、ライトくん、お、おはよう。
お風呂に入ろうかな〜って」
「…あ!それ、いいね♪
またボクを誘ってくれてるの?
今度は、お風呂でって。
んふ。」
ちょっとかすれた声でいつもの調子のライトくん。
寝起きからこの調子なんだね…。
「んもぅ〜、そんな訳ないでしょ!
お願い、離して」
「わ!ちょっと、暴れないでよ。
ボクもまだ起きたばかりなんだから」
身をよじり何とかライトくんの腕をすり抜けベッドを降りる。
そうだ、大事な事を確認しなきゃ。
「ライトくん、昨日私に何もしてないよね?」
何もされてない事を祈りつつ聞いてみる。
「ん〜?
何も、って、何の事を言ってるの?」
ライトくんは私のベッドの上で再び横になり、頭を片手に乗せて片膝を立てている。
絶対面白がってるよね…。
「ボクわかんないな〜。
何の事?ねぇ」
「そ、そんな事…女性に言わせるものじゃないよ。
ライトくんは紳士なんでしょ?」
そう問いかけると、ムクリと起き上がってベッドの縁に座る。