die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第9章 episode.9
「…う…ん」
重たい瞼を開ける。
ん?今、何時だっけ…?
喉、乾いたな…。
寝ぼけた頭で動くと何かが手に当たり、手の方を見る。
ラ、ライトくん?!
当たったのはライトくんの手で、驚きで一気に目が覚めていく。
なんで私のベッドにライトくんが?!
「う〜…ん…」
じっと見つめるけれど、まだ眠ってるみたい。
そっか、昨日は買い物に付き合って貰って…。
その帰り、また吸血されちゃったんだ。
そばで眠る姿からは、吸血なんて結びつかない位無防備な寝顔。
こうやって見てると、やっぱりすごく綺麗な顔。
なのに本当、起きてる時は悪魔だよね…。
…って言うか、何もされてないよね、私?!
よくよく考えると、この状況だと何もされてない訳ないんじゃない?!
相手はライトくんだよ?!
だ、大丈夫かな私…。
ペタペタと身体を触る。
洋服は昨日のままだ。
ちょっとお風呂に入って来ようかな。
ライトくんが起きないうちに…。
そっと横顔を伺うとまだぐっすり眠ってるみたい。
ベッドからそっと降りようとした時だった。