die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第8章 episode.8
「あの、でも…私はレイジさんと」
「それに、あいにく私はああいった場所は好きではないんです。
ライトにお願いしてください」
「…わかりました…」
これでも自分なりにかなり勇気を出して誘ったんだけどな…。
あっさりと断られてしまって、名残惜しいような気持ちを残して部屋を出る。
「お邪魔してすみません、失礼します…」
扉を閉めてからまた深く息を吐いた。
私、最近レイジさんに避けられてるような気がするんだけど、どうしてだろう?
時々変わった事はないかと聞かれはするけれど…以前にも増して冷たいと言うか…。
もしかして私、あの…催眠効果の薬を飲まされた時に何か気に触る様な事して嫌われちゃったのかな。
あの時の優しく憂いを帯びた瞳が、慰める様に髪を撫でてくれた手が思い出されて、最近の彼の冷たさに胸がズキズキと深い切り傷の様に痛む。
な、なんでこんなに痛いんだろう。
胸の真ん中に手の平を当ててみる。
私達がここへ来た理由探しに協力してとは言われたけれど、だからと言って馴れ合うつもりは無いのだろうと言う事は分かってる…。