die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】
第8章 episode.8
「すぅ〜…、はぁ〜…」
深呼吸してから、ノックをする。
ーコンコン。
「レイジさん。
マイです」
「…どうぞ」
少しの間があって、返事がしてから扉を開ける。
「どうしましたか?」
「あの…今大丈夫ですか?」
「かまいません。
なんです?」
部屋に入り、扉を閉めてからその場に立つ。
久しぶりに入る部屋だけれど、相変わらず掃除の必要が無い程綺麗にされている。
レイジさんは試験管に入った液体を横に、何かノートに記していたようだった。
「化粧品とか、減ってきたので買い物に行きたいんですけど、街の方はまだ行った事が無くて」
レイジさんはノートに目を落としたままこちらを見てはくれない。
「一度一緒に行って頂ければ、行き方も覚えますので…
連れて行って頂けないでしょうか?」
そこまで話した所で、ようやくペンを置いてくれたレイジさんの答えを待つ。
「そう言う事でしたら、ライトにでも頼んで下さい。
毎日のように街へ行っているようですし。
私よりよほど詳しいかと」