• テキストサイズ

die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第7章 episode.7


「きょうかいで、はたらいてるおとうさんと……ユイ…。
いもうと…なんだとおもう…」


ん?
思う、と言うのは…?


「ご自分の家族でしょう。
思う、とはどういう事ですか」


「………」


随分考え込んでいるようですね。


「実の妹ではないと…?」


「………。
わからない……こんらんしています。
もやがじゃまして」


「もや?」


何でしょう。
しかし、この人は姉として違和感なく振舞っていたように見えましたが…。


「貴女…そのもやに気付いていたんですね」


「はい」


「それはこの屋敷に来てからですか?」


「はい」


「その上で、悟られないように振舞っていたのですか」


「そうです」


「それは誰かの指示によるものですか?」


「ちがいます。
わたしの、いしによるものです」


ここまで聞けば、大体の輪郭は見えてきました。


記憶の一部がおかしいと気付きながらうろたえる事なく判断が出来る、彼女はなかなかに思慮深い女性のようだ。
/ 316ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp