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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第6章 episode.6


「貴女はこんな事をしている余裕があるのですか?
学校ではもうすぐ試験があると言うのに…。
編入早々、悪い点でも取ってみなさい。
私が厳しく指導させて頂きますよ」


「え…。
わ、分かりました、これから勉強します」


ユイは申し訳なさそうに、ほうきを置いて謝ってから先に部屋へ戻っていった。


あ…レイジさんと二人きりになっちゃった。
静かな空気が流れる。


「あ、あの…ここは庭園もとても素敵ですね」


「…素敵…ですか」


「はい。こんなに素敵な庭園が自宅にあるなんて憧れますよ。
お世話出来るのが楽しいです」


レイジさんの方を見ると、その向こうに動くものが見えた。


「あ…!」


こっちに向かって歩いてくるとレイジさんの足元に顔をすりつけた。


「可愛い!」


しゃがんでからゆっくりと近づくとその場に座り毛づくろいを始める。


「猫、飼ってるんですか?」


「いえ…うちの猫ではありません」


「そうなんですか。
なんだかすごくレイジさんに懐いてるみたいだからここの子かと思いました…。ふふ…」


指で撫でると目を閉じてゴロゴロ言う。
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