• テキストサイズ

die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第1章 episode.1


「はぁ…。全く、アヤトは…」


そう呟くと視線を落とし、こちらを見下ろす。
眼鏡の奥の鋭い目と視線がぶつかり、胸の奥がどきりとする。


「貴女方、どうしてうちに?いつまでそうして寝ているのです」


私に、言ってるんだよね…?


「うごけ…ないん…です…」


絞り出すように声を出すと、女の子が駆け寄ってくる。


「お姉ちゃん、大丈夫?」


この子は誰なのだろう?
心配そうな目で見てくれている…。


「やれやれ、仕方ないですね…」


男性はため息まじりにそう言うと、
横たえている私の身体に触れる。
戸惑いを感じた次の瞬間には私の身体は地面から離れた。

抱き抱えてくれてる…?
すぐ近くに男性の顔がある。
とても端正な顔立ちだと、ぼうっとした頭でもよく分かる。
綺麗だななんて呑気に感心している。


「私に運んで貰えるなんて感謝しなさい。いつまでもここで寝転がられていては、その方が面倒なだけです」


そう、彼が言う声を聞きながら、意識を手放した。
/ 316ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp