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die Phasen des Mondes【ディアラヴァ】

第4章 episode.4


「…僕の部屋で、何してたんですか?」


無表情で聞かれると怖い。


「あ…ごめんね、掃除をしていたの。
今からもう出て行く所だから…」


「そんなにすぐ逃げなくてもいいじゃないですか…」


「い、いや、逃げるとかじゃないけど…」


何だか、嫌な予感がするなぁ…。


カナトくん、少し話でもしたいのかな?
じーっとこちらを見ているカナトくんと目が合う。


「あ、あのカナトくんってぬいぐるみとかドールが好きなの?」


「は…?」


「ほら、沢山飾ってあるから、好きなのかなーって」


「…君も…君もそうやって僕の好きなものを馬鹿にするつもりですか!!」


カナトくんが急に怒り出して、大きな声に一瞬ひるむ。


「そうじゃないよ、私もドールとか好きだからさ…」


「……本当…?」


「…う、うん。本当」


「…君…は、…嘘…つかな…い?」


あれ?今度は泣かせちゃった…?


「うん。嘘じゃないよ。
この子のドレスも可愛いね」


ドールの話をしていたらだんだん落ち着いてくれて、無事解放してくれた。
思ったより時間かかっちゃった。


そう言えば、カナトくんは学校に行ってた筈じゃ…?
本当にこの家の人達は神出鬼没だな。
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